皆様より寄せられたご質問の中でよくあるものをまとめました。他にもご質問がございましたらお問合せください。
- 結束バンドのFAQ
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■ MSタイには、どのような材質のバンドがありますか。また、どのような特徴がありますか。
■ 屋外で使用するのに適した66ナイロン製インシュロックタイを教えてください。
■ インシュロックを低温状態で使用した場合どのような現象が起こるのでしょうか。
■ インシュロックは潤滑油内で使用しても問題ないでしょうか。
■ 46、66ナイロン製インシュロックタイの袋には「開封後はなるべく早くご使用下さい」と書いてありますがなぜですか。
■ ガルバロックは、なぜ太陽光発電システム施工用なのですか。
■ ガルバロックの紫外線の耐用年数は何年でしょうか。通常の66ナイロン製耐候グレード製品と比べてどのくらいもつでしょうか。
■ ガルバロックと通常の耐候グレード製品との価格差はどの程度でしょうか。
■ メタルコンテントタイではサビの発生があると聞きましたが、どのような状態になりますか。
■ 電気制御盤内でのメタルコンテントタイ使用で感電の危険性はありますか。
■ メタルコンテントタイと標準PA66(乳白色)インシュロックとでは強度や耐久性の違いはありますか。
■ グリップタイ・ソフトタイプは、クリーンルームで使用できますか。
Q「インシュロック」は一般名称ですか。
A「インシュロック」はヘラマンタイトン株式会社の結束バンド、アクセサリ類の登録商標ですが、一般に広く浸透していることから一般名称のように使用されることがあります。正しくは、ヘラマンタイトン株式会社のブランド名です。
Q インシュロックの語源を教えてください。
A 弊社のイギリスのグループ会社「インシュロイド社 (現在の名前はヘラマンタイトン社)」が販売をしていた ロックシステムを"インシュロック"と呼んでおり、当初、結束バンドはイギリスから輸入をしていたため、 ブランド名そのままで国内販売をしておりました。その後、日本国内のお客様のニーズに合わせるため、結束バンドの国産化を開始したのですが、ブランド名はそのまま使用していました。そのうち、イギリスでは「インシュロック」というブランド名を全く用いなくなり、反対に国内ではそれが結束バンドの代名詞になってしまいました。正確に言うと、「インシュロック (INSULOK)」は、結束バンド、配線固定具を含めた配線資材の総称ブランド名で、「インシュロックタイ」は 結束バンドを指します (英語のTieからきています)。
Q MSタイの型番T18Rの"18"は何を意味しますか。
A インシュロックタイの強度 (単位はポンド)を示しています。例えばT18R、T18Sといった商品は18ポンド (約8.16kgf)以上のループ引張強度があるということです。ただし、現在は国際単位に基づき、強度値は全てN (ニュートン)で表示しています。T18Rの場合 80.0N (8.16kgf)です。※ヘラマンタイトン製品のループ引張強度は、SAE AS23190B4.7.3 (旧 Mil Spec 23190-E)、に準拠します。
Q 結束後の強度は温度により変化するのでしょうか。
A 弊社の場合、ループ状態での引張強度において製品を管理しており、温度により引張強度が変化することを確認しております。樹脂の特性により、変化の幅は異なりますが、高温になれば樹脂が軟化し、引張強度は低下する、低温になれば樹脂が硬化し、引張強度が上昇するといような関係を示しております。
Q 耐熱試験は加速試験を実施しているのでしょうか。
A 実施しておりません。実際の時間経過に伴う高温耐久試験を実施しています。高温耐久試験データを参考として提出させて頂くことは可能です。
Q インシュロックを低温状態で使用した場合どのような現象が起こるのでしょうか。
A 66ナイロンは、一般的に低温にさらされると全体が硬化します。結束挿入時のストレス、装着後の外部衝撃などで割れる場合があります。インシュロックが厳冬期に折れてしまうのは低温衝撃性に劣るためです。
Q インシュロックは海水内で使用しても問題ないでしょうか。
A 66ナイロン製のインシュロックについて、食塩水または塩化ナトリウムに対するナイロンの耐薬性は物性劣化にはほとんど影響を与えません。ただし、製品が海水に長時間浸漬する場合には、吸水により強度の低下が見られます。負荷がかからなければ外れ等の問題はないと思われますが、負荷がかかるような使用環境・条件であればメタルタイ、吸水しないPP-W (ポリプロピレン製 耐候グレード)またはTZ (ふっ素樹脂製)をおすすめします。
Q 46、66ナイロン製インシュロックタイの袋には「開封後はなるべく早くご使用下さい」と書いてありますがなぜですか。
A 46、66ナイロンは、湿度が高いと吸水して柔らかくなり、乾燥していると硬くなるという性質があります。そのようなナイロンの特性を利用し、使用時に結束がしやすいよう製造時に調湿処理を施しています。そのため、袋を開けてそのまま放置しておくと、厳寒期や乾燥した環境により、吸水率が低下して作業性が悪くなる可能性があります (ただし、結束後は外部からの影響を受けない限り結束状態を保ちます)。
Q 耐薬品性に優れるポリプロピレン製の結束バンドの方が、11ナイロン製のガルバロックより耐塩害性(耐塩化亜鉛・塩化カルシウム性)に優れていると聞いたのですが、どちらが太陽光発電システム施工用結束バンドとして適しているのですか。
A 人工的に作られた実際の環境ではありえない超厳環境での耐久テストにおいて、11ナイロンはポリプロピレンに比べ耐塩害性に劣ることがあります。しかしながら、想定される実際の使用環境において、ガルバロックの耐塩害性は十分な耐久性を持ちます。 ガルバロックの優れた耐塩害性は複合サイクル試験にて実証済です。 ※一般的に複合サイクル試験による耐塩害・耐腐食性能の評価が、実際の沿岸部の屋外環境での使用条件に最も近いとされています。また、耐塩害性だけでなく、太陽光発電システム施工用結束バンドには、使用環境に耐える強度と耐候性も必要です。 ガルバロックは、従来からの耐薬品性ポリプロピレン製結束バンドに比べ、圧倒的に機械的強度(ループ引張強度)に優れています。弊社では、耐塩害性・強度・耐候性にバランスよく優れる11ナイロン製のガルバロックを太陽光発電システム施工用結束バンドとしておすすめしています。
Q ガルバロックの紫外線の耐用年数は何年でしょうか通常の66ナイロン製耐候グレード製品と比べてどのくらいもつでしょうか。
A 弊社が実施した耐候性促進試験 (人工促進試験)において、ガルバロックは20年相当の試験時間経過後も殆ど強度低下がみられませんでした。66ナイロン耐候グレード製品と比べても、同等以上の耐候性能があると言えます。但し、本結果は人工促進試験における実測値であり、製品自体の性能を保証するものではありません。また使用環境・方法により試験では想定不可能な劣化要因が発生することもあり、耐用年数が大幅に変わる可能性がございますので予めご理解願います。
Q メタルコンテントタイではサビの発生があると聞きましたが、どのような状態になりますか。
A メタルコンテントタイは製品に鉄成分が含まれる為、長期間屋外などの厳しい環境で使用された場合、サビが発生することがあります。この度新しく開発されたMCTSタイプ及びMCTMPタイプのメタルコンテントタイ(2011年以降)は、この点を大幅に改良しています。実際、塩水噴霧試験を実施したところ、MCTタイプ(従来品)では表面に赤錆が生じているのに対し、 MCTS/MCTMPタイプでは、赤錆の発生は見られませんでした。
Q 電気制御盤内でのメタルコンテントタイを使用した場合、感電の危険性はありますか。
A 感電の問題は無いと考えています。メタルコンテントタイの主原料は、電気を流しにくい材料を使用しており、表面抵抗値は、10の12乗Ω辺りの絶縁材料に近いレベルです。これは、鉄の濃度が低すぎて、主原料のPA66マトリックス中で、鉄同士が繋がっていないからです。
Q メタルコンテントタイと標準PA66(乳白色)インシュロックとでは強度や耐久性の違いはありますか。
A 締め付け強度は標準タイプのPA66(乳白色)インシュロックと比べると約2~3割程度低くなります。※メタルコンテントタイのループ引張強度 VS 標準タイプのPA66のループ引張り強度耐久性については、標準PA66(乳白色)同等程度と考えています。